2005年02月14日

iPodユーザーである事がバレたくない

また血液型か!

●とうとうこの日がやって来てしまった。およそハイテクとは縁(えん)もゆかりもない筆者のショボい職場で、iPodの事が話題になってしまったのだ。

筆者は見つかるのを恐れるスパイか忍者のように、小さく身をかがめた。足は短いが座高は高いので、身をかがめるのはなかなか大変だ。そしてさりげなく、ヘッドホンの位置をチェックした。まったくあの白いコードの目立つ事といったら、「俺はiPodユーザーです」と公言しているのと一緒ではないか。

iPodユーザーである事が一旦バレれば、待っているのは捕獲されたスパイと同じ運命のみである。すなわち、厳しい尋問である。尋問といっても、貸して貸してと騒がられたり、あるいはスクロール・ホイールをくるくる回されて曲名をチェックされたりといった程度ではあるのだろうけど、そんな程度でも内閉性の性格の筆者にはキツい。ましてやトスカニーニの演奏するブラームスの4番と一緒に森高千里が入っているともなれば、一層キツい。

筆者は頭の中で警戒警報を発令しながら考えた。それにしても、いつからiPodはこんなにメジャーになったのだろう。人気がある事は知っていた。しかしまさか、筆者の職場でおじさんたちがiPodの話題に花を咲かせるまでにiPod需要が成長していようとは、まったくの予想外であった。だって同僚のおじさんたちときたら、「週刊おじさんアスキー特別号」とかが似合いそうな、そういった手合いの連中なのだ。だから、インターネットの設定みたいな初歩的な話題や、ネットで地上波が見られるのかといった気の狂った質問は筆者の予想の範囲だったし、広い心でおじさん談議を聞き流す事もできたのだが、ことiPodの件となるとまったくの予想外であり、虚を衝(つ)かれたも同然なのであった。

「おじさんの興味関心が筆者のそれに追い付いた」。そんな危機感と同時に、おじさんと一緒にされたくないという想いもふつふつと沸き上がって来た。そしてそのデザインや収録曲数の凄さを絶賛する彼らをしり目に、iPodの先輩でありツウでもある筆者は、心の中で必死にiPodの批判をした。

iPodって本当は、そんなにいいモノではないのだ。リモコンはすぱすぱ抜けるから役に立たないし、近年の技術の進歩のわりにはバッテリーの能力はショボい。交換に手間がかかり過ぎるのも問題だ。何より酷いのは、iPodの内容をパソコン上で管理するソフト、iTunesだ。フリーウェアが楽々MP3化したのと同じCDなのに、こいつはなぜかMP3化できない。エラーの表示すら出さないまま素知(そし)らぬ顔をしているのがこのソフトなのだ。最悪なのは、iPodの中味を全部消してしまうという恐るべき仕様。iPod側からパソコンへは曲を転送できないというタテマエのせいか、たとえばパソコンを初期化して曲がスッカラカンな状態の時にiPodとの同期を試みると、iPod内の曲をパソコンに移してくれるのではなく、パソコンの「無」をiPodに転送してしまうらしく、iPodまでもがスッカラカンになってしまうのだ。レンタルしたCDは、iPodに入れただけで満足せずに、CD-Rにバックアップを取っておくべきだ。

ところで職場では、ふと気がつくと親切なおじさんの一人が筆者の元にiPodを持って来てくれた。彼の言う、「ハードディスク付きの」iPod shuffleがいかに素晴らしいかを教えてくれるらしかったが、紳士な筆者は愛想良くかわした。胸のiPodから流れるオスカー・ピーターソンの演奏がいいところだったのだ。
posted by 窓使い at 21:39| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | Macもろもろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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