2005年02月03日

なぜ資金管理を嫌ったのか

男にも更年期障害はあるそうな。

●投資界のスター、ラリー・ウィリアムズに関する事で一番驚いたのは、彼が何よりもマネー・マネジメント(資金管理)を重要視している、という事だった。

それに気づくまでの私は、投資とは堅牢な売買システムを作り上げる事によって成り立っているのだと思っていた。「勝率の高いシグナルを発見しさえすれば、後は資金をありったけぶち込むだけではないか」。そんなふうに考えていたのだ。

しかし、事実は違った。

資金管理は何よりも重要であり、それこそが金持ちになる唯一の秘訣なのだ。確かに、チャート上から興味深いシグナルや、利益をもたらすパターンを探すのは大事だ。ラリー・ウィリアムズはそうしているし、及ばずながら私もそうしている。投手のクセや配球の傾向を読むのと同じで、それは打率(勝率)を大いに高めてくれるのだ。データを重視した野村ヤクルトがいかに強かったかは、いまさら私が語るまでもないだろう。

しかし、それでも最重要なのは、マネー・マネジメントなのである。理由は、100パーセント確実にトレンドを約束してくれるシグナルなど、どこにも存在しないからである。

かつての私は、それがどこかにあるはずだと思っていた。もちろん、そんなものは実際には存在しない。ある種の価格の上昇は、強烈な上昇トレンドをもたらす傾向があるかもしれない。しかし、終わり値が2日連続で上がろうと1日下がってから3日連続で上がろうと、それ自体は明日以降の価格について何の保証もしてくれないのだ。明日になればトレーダーを動揺させる強烈なニュースが発表されて、その結果、相場も強烈に反転するかもしれない。いつ、どんなニュースが発表されるかを予測できない以上、トレーダーが未来の価格を確実に予測するのは不可能だ。シグナルを参考にするのは良い。しかし、シグナルと運命を共にしてはならない。

にもかかわらず、私はあるシグナルを過信して、ありったけの資金をそれに投下したのである。「ビン・ラディンはここにいる」と信じ込んで、確実に殺すために全弾をぶち込んだわけだ。残念ながらそこに髭おじさんはおらず、そればかりか、相場の反転という名のテロリストがやって来た時に、私の弾薬は底を突いていたのである。応戦も撤退もままならず、私はテロリストから全身に銃弾を浴びた。

要するに、稼ぐ事に夢中になってはいけないのだ。我々トレーダーの目標は、金持ちになる事、つまり大金を残す事であって、一度にたくさん稼いで一度にたくさん失う事ではないはずだ。だとすれば、一番稼げるかもしれない(あるいは、一番損するかもしれない)買い方ではなく、一番資金の残る買い方を尊ぶべきだろう。資金の少ない私のような小口トレーダーにとって、通常それは1枚だけ売買する事を意味する。

今では私は、カルト宗教から改宗している。かつて信仰の対象であった例のシグナルは、今では無批判に従うべき教祖から、参考にするべき友人へと地位を変えた。代わりに絶対的な信仰の対象となったのは、マネー・マネジメントという名の教祖である。彼は相場の先行きについて一切予言しようとしないが、それでも私の口座を保護してくれてはいる。
posted by 窓使い at 22:33| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 相場 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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